手首の症状
- 何の心当たりもないのに、手首が痛い
- 手首にしこりができている
- 親指を曲げると、手首の親指側が痛くなる
- 前腕の手の甲側（手首よりやや肘に近いところ）が痛くて腫れている
- 転んで手をついた後、手首が痛くて腫れている
- 日ごろから手・手首を動かす機会が多く、
手首が痛い - 転んだあと、手首の小指側が痛くなった
手首の痛みを起こす
主な疾患
ドケルバン病
母指（親指）を広げると手首（手関節）の母指側の部分に腱が張って皮下に2本の線が浮かび上がります。
ドケルバン病はその母指側の線である短母指伸筋腱と長母指外転筋が手首の背側にある手背第一コンパートメントを通るところに生じる腱鞘炎です。
症状
- 手首（親指側）の痛みや腫れ
- 親指を動かすと痛みが生じる
橈骨遠位端骨折
手のひらをついて転んだり、自転車やバイクに乗っていて転んだりしたときに、前腕の2本の骨のうちの橈骨（とうこつ）が手首のところ（遠位端）で折れる骨折です。
特に閉経後の中年以降の女性では骨粗鬆症で骨が脆くなっているので、簡単に折れます。若い人でも高い所から転落して手をついたときや、交通事故などで強い外力が加わると起きます。子供では橈骨の手首側の成長軟骨板のところで骨折が起きます。
いずれの場合も、前腕のもう一本の骨である尺骨の先端やその手前の部分が同時に折れる場合もあります。
症状
手首に強い痛みがあり、短時間のうちに腫れて来ます。けがの仕方によって違いますが、手のひらをついて転んだあとでは食器のフォークを伏せて置いたような変形が見られます。
手がブラブラで力が入らず、反対側の手で支えなければならなくなります。ときには、折れた骨や腫れによって神経が圧迫され指がしびれることもあります。
TFCC損傷（三角線維軟骨複合体損傷）
手の関節部分に強い衝撃が加わったり、関節に過剰な負荷をかけ続けたりすることが原因で発症します。
野球やテニスなどのスポーツが原因で、発症するケースが多いです。転倒や、作業による外傷が原因で生じた靱帯損傷や、手の関節の酷使、老化による変性損傷などが発症原因になることもあります。
また、尺骨が橈骨に対して長くなることが原因で、外傷がないのにも関わらず発症する事例もあります。
症状
手関節、特に尺骨側の痛みが良く現れます。痛みによって、ドアノブを回すなどの動作や、手首をひねるスポーツなどに支障をきたすようになります。
ガングリオン
ゼリー状の物質が詰まった腫瘤です。中でも典型的なのが、手関節背側（甲側）にできるガングリオンです。
このタイプは、手関節の関節包（関節を包む組織）につながっています。
また、ガングリオンは、手首の親指（母指）側の手のひら側にある関節包や、指の付け根の手のひら側の腱鞘部などにも生じます。
症状
手首の関節周辺や腱鞘のある所に、米粒大からピンポン球くらいの腫瘤が生じます。特に、手首の甲にできる傾向が強いです。腫瘤は大きくなったり小さくなったりする特徴を持ち、硬さも硬いものから柔らかいものまで、多岐にわたります。
無症状なことがほとんどですが、神経の近くに生じると神経が腫瘤で圧迫され、痛みやしびれ、運動麻痺といった症状が起こるようになります。手を酷使すると、腫瘤は大きくなってしまいます。
