手の痛み

へバーデン結節

指の第1関節（DIP関節）に、痛みや変形が引き起こされる疾患です。
手の甲側に結節（コブ）が生じ、複数の指に症状が起こります。症状によって指を動かすのが難しくなり、日常生活に支障をきたすようになります。
原因は未だに不明ですが、加齢や指の酷使が原因で発症するのではないかと言われています。
また、40歳以上の女性が発症しやすい傾向にあります。

主な症状

指の第1関節の痛みや腫れ、赤みが起こります。
痛みや腫れによって、細かい手作業や強く物を握ると言った動作が上手くできなくなります。第1関節の近くに水ぶくれのような透き通ったでっぱりができることがあります。これをミューカスシスト（粘液嚢腫）と呼びます。
へバーデン結節は長い間、原因不明とされており、根治できる治療方法は現在も見つかっていません。しかし、近年になって原因の一つとしてエストロゲンが減少することで、指の関節を包む膜（滑膜）がダメージを受けやすくなっているのではないかとの研究結果が出てきました。
40代以降の女性の多く発生することから、更年期の女性でエストロゲンが急激に減少することで発生するのではないかともいわれています。
しかし、エストロゲンの投与により乳がんや卵巣がんのリスクが上がることがあるため、エストロゲンに似た化学構造を持つものはないかと研究された結果がエクオールです。
エクオールとは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて生み出される成分で、大 豆イソフラボンのままよりも強い働きをすることから、エクオールこそが女性を支えるパワーの源であることがわ かりました。さらに、閉経後に現れる「骨粗しょう症」や「生活習慣病」等にも効果があると言われています。
日本人の約半分は、豆腐や味噌、納豆など大豆由来の食品を摂取することにより、腸内でエクオールを作ることが可能です。しかし、エクオールを自ら作ることが出来ない人は別の方法で摂取するしかありません。それはサプリメントから摂取する方法です。
これまで、大豆イソフラボンのサプリメントしかなかったのですが、近年になってエクオールを含んだサプリメントが登場 しています。当院では、そのエクオールを含んだサプリメントを取り扱っているお店をご案内しております。

母指CM関節症

CM関節とは、親指の付け根にある関節です。この関節にある軟骨がすり減ることで、「握る」「つかむ」などの動作を行う時に、痛みを生じる疾患を母指CM関節症といいます。
骨が変形することもあり、進行すると強い痛みを伴います。この疾患も、40～70歳の女性に多くみられます。

主な症状

手根管症候群

手のひらには「手根管」という、正中神経や腱が通っているトンネル状の部位があります。手根管症候群とは、手根管の中で正中神経が圧迫されることで、手指の痛みやしびれが引き起こされる疾患です。
中年以降の女性に多くみられ、骨折や腫瘍、オーバーユースなどが主な原因と言われています。
しかし、根本的な原因は未だにはっきりとされていません。

主な症状

親指や人差し指、中指などの痛み・しびれ、親指の力が落ちる 、親指の付け根部分が瘦せ衰える、起床時に強く痛む、痛みで朝まで熟睡できない、細かい手作業が難しくなるといった症状がみられます。

手根管症候群

ばね指（弾発指）

何度も指を曲げたり伸ばしたりするなど、指の使いすぎによって起こるのをばね指（弾発指：だんぱつし）といいます。
腱鞘（けんしょう）炎の一種です。屈筋腱や腱が通る「腱鞘」が炎症を起こすことで、腫れ、上手く曲げ伸ばしできないといった症状がみられます。
悪化すると指が曲がったまま戻らなくなり、無理に戻そうとすると「バネ」のように戻ってしまいます。

主な症状

指の曲げ伸ばしが難しくなる、曲げ伸ばしする時に引っかかるような感覚がある、指が曲がったまま戻らなくなる、痛み・腫れ・熱くなったような感覚（熱感）がある、曲がった指を無理に戻すとバネのように戻るといった症状がみられます。

ばね指（弾発指）

突き指(槌指)

指の第１関節（DIP関節）が完全に曲がり、伸びなくなる状態を「突き指（槌指：ついし、つちゆび）」といいます。
末節骨についている伸筋腱が断裂する「腱性槌指」と、第1関節内の骨折が起こった「骨性槌指」に分けられます。
中でも、子どもは骨端線が離開してしまうこともあります。 球技系のスポーツ（特に野球やソフトボール、バスケットボール）を行っている時に発症するケースが多いです。
多くの方が右利きであるため、右手の突き指を訴えて受診する方がほとんどです。また、薬指・中指・小指の順に発症します。 

主な症状